Wind Reave

神奈川県, Japan
Foto © Koichi Torimura

〈Episode〉
敷地は海の景色と山の景色が見渡せる高台の中腹、冬も比較的温暖な気候で日当たりの良い南西の斜面にある。
都心のオフィスに通勤していた建主だが、自宅でのリモートワークをすることが多くなり会社への出勤が減ったのを機に、自宅との2拠点の生活を構想した。

そこでの要望を整理すると、
1.仕事環境の充実
・仕事に集中できる書斎スペースと快適なリモートワーク環境を実現する設備
・同僚が集まり会議や打ち合わせのできる、この場所ならではのスペース
2.仕事だけでなく家族や友人が休暇を過ごせる
・様々な目的を持って滞在できる柔軟なスペース
3.自然環境とアクティビティ
・自転車やゴルフなどの趣味や海や山を楽しむための拠点
4.日常と非日常のバランス
・非日常的なリゾート感を感じつつも、日常生活を維持できる利便性
・景観や自然に寄り添い限りなくリラックスのできる建物。

働き方やライフスタイルが変化する中で理想的な多拠点生活を実現する場所として、単なる職場や別荘ではなく、仕事と遊び、日常と非日常がシームレスにつながり自宅や職場での活動も含めた生活全般を刺激し豊かにする「新しい拠点」が望まれた。

〈Planning〉
建物は景色に馴染むよう自然素材である木と自然な風合いを持った素材を採用。また敷地の下に広がる斜面には地元で産出する小松石を土留に採用し、岩の間に様々な植物を配置して建物と一体となった風景を作り出している。斜面の中腹に空に向かって風になびくように広げた屋根、威圧感無く自然に溶け込み建つ姿を目指した。
敷地からは海と山、両方のパノラマビューが広がる。しかしあえて各部屋の用途の特徴(書斎などの集中することのできる空間や、寝室などのプライバシーの高い安心できる空間など)に合わせて窓からの景色をコントロールすることを試みた。2階のLDKやテラスは海や半島から山々の稜線が一緒に見える景色が視界に広がり、その景色の中に浮いているように感じられ、書斎からは植栽や庭石によって近い景色の向こうに遠い景色があることで落ち着いて集中しながら考えに耽ることのできる景色を作った。
敷地の持つ解放感を建物の中で体験するシークエンスの遠近感によってコントロールし、風景と一体となりながらも流れる時間をゆったりと感じられるものになっている。

Foto © Koichi Torimura
Foto © Koichi Torimura
Foto © Koichi Torimura
Foto © Koichi Torimura
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Foto © Koichi Torimura
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Foto © Koichi Torimura
Arquitectos
FEDL
Año
2023

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