Villa B
房総半島, 日本
自然と調和したサンクチュアリ
小鳥のさえずりが聞こえる山間に佇む静かなサンクチュアリ。
多忙を極めるクライアントが、仕事の手を休め、”心も身体も癒し、趣味に没頭できるサンクチュアリ”として、敷地内に温泉が沸く日当たりの良い里山の別荘を設計した。
ヴィラは、敷地の丘の上にある3棟の建物からなるリトリートエリアと、丘のふもとのホビーエリアの大きく2つのエリアで構成されている。
居住空間となるリトリートエリアは、門から離れた丘の上に位置し、道路や周辺から隔絶された、物理的にも心理的にも安心できる環境とした。
具体的には、既存の木造住宅を改修したメイン棟を中心に、左右に新築のスパ棟とパーキング棟を配置し、透明屋根のテラスが3棟を緩やかに繋いでいる。
メイン棟は温泉旅館のような空間で、既存の木造の骨組みを活かし、木や葦簀、珪藻土などの自然素材を用い、床暖房の効いた柔らかな畳が敷かれている。
隣接するスパ棟では、ジャグジーや打たせ湯をはじめあらゆるタイプのお風呂を源泉掛け流しで楽しむことができる。さらに、サウナもドライ、ミスト、岩盤浴と充実している。
パーキング棟とメイン棟には木製の縦格子シャッターが設置され、風通しと採光を確保することで、閉め切っていても室内が暗くならず、風通しの良い快適な室内環境を作り出している。
リトリートエリアは、心身を癒し、くつろぎ、安らぎ、健康になれる場所である。
門の脇にあるホビーエリアには、コンクリート壁とテント屋根のガレージ棟が計画された。
丘上のパーキング棟には普段使いのクルマが置かれているが、麓のガレージ棟にはサーキットも走れる9台の車が格納されている。
塀と一体化した強固なコンクリート壁で守られたガレージ棟は、ショールームをイメージしてデザインされ、昼間はテント屋根から全面的に自然光が降り注ぎ、夜はランタンのようにほのかに光る。
リトリートエリアとの親和性を持たせるため、あえて木製の特殊なトラスを採用し、モダンさと温かみが共存するデザインとした。
「心も身体もリフレッシュしながら趣味に没頭できる別荘を」という要望に応えた上で、自然に寄り添うロー・インパクトな計画であることも、このプロジェクトの大きな特徴といえる。土の掘削量を減らし、既存の民家を改修して活用、建材に地元産の杉を使用し、太陽熱給湯や自然採光・通風を活用し、高効率焼却炉による敷地内ゴミ処理で廃棄物の排出を抑える取り組みをしている。
teamSTARでこれまでに手掛けたホテルや温浴施設、別荘建築のデザインで培ったノウハウを結集し、自然と調和した「集落型プライベートリゾート」を実現した。
建築 :
teamSTAR®︎
Creative Director/Architect: 佐竹永太郎 (STAR)
Main Architect: 奥野幹 (Moo-Flat)
Architect: 市江龍之介 (ICE)
Assistant: 簗瀬晃希 (STAR)
Management: 山田慎一郎 (Yamada Studio)
構造設計 : AIG
設備設計 :EM design
照明デザイン : Plus y
構造 : 合計4棟(メイン棟(改修)/W+S造、スパ棟/W造、パーキング棟/W造、ガレージ棟/RC+W造)
敷地面積 : 5020.6㎡
建築面積 : 合計424.8㎡
延床面積 :合計416.6㎡

















