岡田邸
長野県, Japan
長野県の千曲川流域の住宅地に建つローコスト住宅である。敷地の周囲には農地と山並みが取り囲み、その穏やかな環境の中、夫婦と子ども二人のための住まいを計画した。
建物は在来木造のシンプルな2階建である。合板モジュールに基づいて断面を決め、最小限の間仕切りとし、構造体や設備配管を露出して仕上げを極力省いた。1階は回廊状の「回り土間」を巡らせ、南北に大きな掃き出し窓と深い軒を設け、どこからでも出入りできる開放的な構えとした。一方、2階は平面をセットバックさせて切妻屋根をかけ、その架構を現しながら天井高を抑えることで、小屋裏のような親密さを生む。また南北に設けた小さな吹き抜けにより、上下階の繋がりと、高低差を活かした熱循環や段階的なプライバシーの調整を可能にした。
その建物の外周に竹のパーゴラを大きく架けた。農業用のアーチパイプを支柱に転用して縦横に配置し、その上に梁を架け、竹をルーバー状に渡した。場所ごとに竹の角度やピッチを変え、支柱も含めて全て約φ20〜30mmの細い材料でつくることで、光と影を軽やかに落とす。裏をもたず、地上の活動が全面に広がり、周囲の農村風景と繋がる場になることを考えた。
パーゴラは施主と共同で自主施工した。やがて植物が茂り、緑の蔦も竹に絡む予定だ。将来的に竹の更新も見据えており、自ら世話をし、地域の資源と共に維持していく、そういう風景と営みが連関する中に育つ住宅を目指した。
- Arquitectos
- 畝森泰行建築設計事務所
- Año
- 2025
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