YMK

写真 © Koichi Torimura

リモートワークを前提として、都市部から高原に移住するための住宅。
敷地は道路側である西側から東側にかけて緩やかな傾斜で連続しており、その先で一気に下がっている。下には小川が流れ、小さな谷を形成していた。そのため、谷越しの隣家とはかなりの距離があり、谷側に抜ける視線には樹木が深く折り重なるように続いている。建物の南東の角には面が取られ、大きなピクチャーウインドウがあるのは、このような環境の読み取りから決定された。

軽井沢は夏涼しく爽やかな気候だが、冬にはマイナス10℃以下に気温が下がる寒冷地である。そのため、建物の基礎は凍結深度以下に設置する必要がある。基礎を単独で掘り下げて設けている部分もあるが、ここでは凍結深度以下に躯体を掘り下げて、その部分を有効活用しようした。施主の要望である本格的なビリヤード台は、この+αとして想定された地盤面以下の部分に設置された。

冬の寒さ策として、床下に大量の「水」を封入した蓄熱体を設ける事で応えている。1日のなかでの温度変化を、蓄熱体が吸収することで熱的な定常状態をつくり、2台のヒートポンプエアコンによって24時間空調を想定している。薪ストーブも熱源としては活用され、外気を取り入れた方が気持ちの良い時期は、温度変化のみを蓄熱体が抑える働きをする。なお、先に説明した凍結深度以下の躯体も蓄熱体の一部として機能する。

建物の中心付近にある木造トラスによる耐力壁は、厚さ60mmの材で正方形グリッドを描き、45mmの斜材に補剛される。斜材は水平荷重を負担する筋かいとしても機能し、さらに30mmの小さい斜材に補剛される。このように順に補剛していき、座屈強度を高めている。これは構造体でありながらインテリアにも参加していくような繊細さが空間に挿入されることで、生まれるスケールの感じかたがあるのではないかと考えた。

建物の断面構成はかなり複雑に構成されている。建物としては「2階建て」だが、それぞれの段差で領域を区切りながらも、全体が一体の空間として感じられるように計画している。そのバランスを支えているのが、それぞれの空間に合わせて設定された6つの床レベルである。
それは、土地の地形に向き合いながら、建築のなかに「新たな地形」を生み出す作業でもあった。

写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
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建築家
廣部剛司建築研究所
2022
Project Status
竣工済

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