城ヶ崎海岸の家

静岡県伊東市, Japan
Foto © Koichi Torimura

都心にお住まいのご夫婦のための週末住宅、そして将来は終の住処としての住宅の計画である。
敷地は城ケ崎海岸へと続く桜並木の街道沿いに開発された分譲地の一画。この地域は国立公園地域に指定されているものの、計画地は南北隣地に住宅が建ち、東も分譲予定で、周囲には住宅が多く建ち並ぶ。週末住宅という響きから連想される雄大な海や山並を臨む大自然は感じられない郊外型の分譲地である。
そこで、美しい景観として眺める自然ではなく、この場の空気としての自然を全身に感じられるような、敷地と一体化した空間を創り出すことを意図した。
大地に大きな屋根を架けて、その場の空気そのものを覆って、敷地と一体化した空間を創り出す事を考えた。屋根は自然公園法により規制された範囲一杯に架け、さらに造成前の敷地の起伏になぞらえて変化する屋根形状として、敷地に馴染ませた。アプローチ側から旋回しながら上昇して行く形態は、建て主の「別荘に来たと実感できる、気分が高揚するような外観」との要望にも合致する。
そこで、この単純さに秩序ある多様性と変化を与える事で、敷地と一体となった空間の本質を損なわずに、表情豊かな空間にすることはできないだろうかと考えた。
多世帯で利用することを想定して3つの個室(2つの寝室と客間)を設ける事が条件として与えられていた。これに加えて水廻りや駐車場といった必要な住機能をそれぞれ閉じた空間としてブロック化して、各ブロックの性格と敷地の特徴を考慮して大屋根の下に配置していった。桜並木から敷地へのアプローチが伸びる北側には駐車場ブロック、雑木林が植生する小高い丘に向いた西側には客間ブロック、造成前には小さい丘となっており、現在は平坦に整地された東側には水廻りの上に2つの寝室を重ねた人工の丘のようなニ層分のブロックを配置した。
大屋根の下にブロックを分散して配置した結果生み出された有機的なスペースは、敷地と一体となった空間の本質を損なうことなく、また建物の機能にも縛られる事無く、多様性と変化に富んだ表情豊かな空間となった。
刻々と変化するブロック群の隙間から見える空や緑、差し込む光、通り抜ける風を全身で体感できるこの住宅は、敷地の自然をより豊かに、そして鮮明に感じる新たな場を敷地の中に創り出している
週末住宅であり、高齢になってからは終の住処となることから、非日常性と利便性を備えた日常性の両立が求められた。そこで、水廻りとほとんど就寝のみの用途の二つの寝室に関しては、できるだけ身体感覚として日頃から慣れ親しんでいる910のモジュールを用いた。その他の部分は910モジュールの対角寸法をモジュールとして採用することで、日常との身体感覚のズレを非日常性として無意識に体感するように計画している。

Foto © Koichi Torimura
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Año
2006
Estado del proyecto
Construido

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