銀世界 / Reflection House:3.0

鎌倉, 日本
写真 © Yuji Tanabe

鎌倉の海と山を享受する自邸。築40年超の木造2階建てを「銀世界」へと改装した。敷地は西側に隣家があるのみで、北には山を背負い、東と南は大きく開けている。南側の畑を挟んだ隣家とは約5mの高低差があり、平面・断面ともに抜群の「抜け」を持つ立地だ。
これまで鎌倉内で自邸や事務所の移転を繰り返すたび、私はその空間の欠点を補うように「銀色に反射する装置」を作り続けてきた。今回の自邸では、それらが必然であったかのように組み合わさり、ひとつの「銀世界」を結実させている。
元は1階にLDK、2階に個室という構成だったが、眺望を活かすため1・2階を逆転させた。メイン空間となる2階は、間仕切り壁と天井を取り払い、大きな「塊」のような一室空間としている。
天井の仕上げは、過去に実家や事務所でも採用した、羊毛断熱材とステンレスメッシュによる独自の納まりだ。垂木間に充填された断熱材がメッシュに押されて「かまぼこ型」に膨らみ、柔らかな揺らめきのある反射光を生み出す。縁側のような可動ベンチやキッチンカウンターのトレーもまた、反射板として機能する。
さらに、天井高を強調する「岩」のようなキッチン収納を設えた。ラワンランバーの躯体に、レーザーカットしたアルミ板を一つひとつ手で曲げ、多角形(ポリゴン)状に貼り込んだものだ。この「岩」は、南北に長い建物において暗くなりがちな北側の奥まで光を導いてくれる。
「銀世界」は、果てしない反射の重なりによって、朝や夕暮れのオレンジやピンクを映し込み、刻一刻と変化する一日の情景を投影し続けている。
そしてこれまでの建築で挑んできた「見上げる」という行為、その行為から誘発される空間と時間の獲得を目指している。
*Silver World / Reflection House : 3.0の「3.0」とは、2003年に実家の一部を改装し羊毛断熱材とステンレスメッシュによる天井を初めて試みた「1.0」(T-house)、2014年に事務所の天井を同手法にて改装した「2.0」(YTA-office)に続く、第3弾であることが由来。

■建築概要
建物名称:銀世界/Reflection House:3.0
所在地:神奈川県鎌倉市
建築用途:住宅
主構造形式:木造在来工法2階建て
設計監理:田邉雄之建築設計事務所 
施工:川口建築
敷地面積131.30㎡
建築面積:51.78㎡
延床面積:87.95㎡
竣工:2025年12月

写真 © Yuji Tanabe
写真 © Yuji Tanabe
写真 © Yuji Tanabe
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図面 © Yuji Tanabe
ビジュアリゼーション © Yuji Tanabe
写真 © Yuji Tanabe
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ビジュアリゼーション © Yuji Tanabe
ビジュアリゼーション © Yuji Tanabe
2025
プロジェクトステータス
竣工済
施工
川口建築

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