ZHU
Nishinomiya, 日本
- 建築家
- 前田圭介/UID
- 場所
- Nishinomiya, 日本
- 年
- 2022
- プロジェクトマネジメント
- 小林 正典
アジアでビジネスを展開しているシンガポール在住の建て主が日本での滞在時に過ごす住居の計画である。敷地は風光明媚な六甲山の中腹に位置し周辺一帯は斜面地を宅地造成した住宅街である。様々な制限のかかるこの敷地において、法的に建築可能な最大ボリュームが求められた。
既に敷地内には接道面に沿って木造2階建て住宅が建てられる耐力を持ったボックスカルバートの駐車場が造成されており、それ以外の場所は岩盤に覆われた斜面地であった。この敷地での建築の最大値を考えると、風致地区を踏まえながら建蔽率・容積率・斜線・日影・高さ制限から、既存ボックスカルバートを解体し新たに宅造許可を取り直す必要性があった。さらに敷地を覆っている巨大な岩盤と傾斜具合を見ながらこの土地と一体的な建築と土地の関係性を模索した。
計画は、3辺を住宅に囲まれた短冊状の傾斜した敷地形状に対して、唯一開かれた南面の眼下に広がる大阪湾への眺望と、そこからの採光・通風を内部全体へ取り込める空間構成を考えた。平面・断面的に分節した4枚のRC耐震壁付きラーメン構造のフレームの変化によって、奥行方向への光と風を取り入れながら、内外部がレイヤー状に連続する曖昧な領域をつくった。各居室は地階の書斎から、1階のプライベート空間を通して、2階の開放的なリビング空間、そしてリビング脇のテラスからルーフトップへと、上階へ向けて広がる内外空間と合わせて陽光の段階的変化が感じられる構成とした。
この4枚の覆いは、時間よって移ろう光を調節し、軒的なものとして風を取り入れ、雄大に広がる空と海の風景をフレーミングしながら内外の領域を曖昧に繋ぐ閾となる。斜面地で区画分譲している土地と建築のあり方を再考することで、この地の暮らしのための環境を思考した。
principal use: house
structure: R.C. structure
site area: 175.11sqm
total floor area: 230.84sqm
building site: Nishinomiya, Hyogo
Architects: Keisuke Maeda / UID
+PRISM DESIGN_254 design room-Masanori Kobayashi
completion date: 2022
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