ハノーバー国際博覧会日本館

ドイツ, ドイツ

ハノーバー万国博覧会は、1992年のリオデジャネイロ宣言を受け、環境問題をテーマに掲げている。そこで日本館の設計理念として、博覧会閉会後に解体さ れるパビリオン自体が問題の環境負担とならぬよう産業廃棄物を最小限に押さえること、そのために建材のリサイクルまたはリユースをデザインのクライテリア として材料・構造を考えることとした。

メインホール部分は、生産上は長さに制限のない紙管の特性を利用し、ジョイントが少ないグリッドシェル状の紙管アーチを考えた。トンネルアーチはおよそ長 さ74m×幅35m高さ16mほどになり、長手の風に有利なように、高さと幅方向に窪みをつけた3次曲線のグリッドシェルとし、内部空間にも変化を持たせ た。

紙管同士を固定するジョイントは、布のテープで縛り簡単にジョイントする方法を考案した。このテープジョイントは、地組みされた紙管が押し上げられ、3次 元のグリッドシェルになる過程で紙管同士の角度が開くのに伴う三次元的な変位を許容する。またその際に、テープジョイント自体にも適度な緊張がかかり、紙 管同士が固定される。

紙管のグリッドシェルには、それ自体に剛性を持たせるために、また屋根の膜材を固定し、建設過程、メインテナンス時においても有効なはしご上のアーチ(ラダー)とそれと直交するラフターという木製のフレームを考案した。

また屋根に仮設で塩ビ膜剤を使用し破棄するとダイオキシンを出すので、強度と防水そして防火性能のバランスを持った、紙膜の開発をした。

基礎は再生困難なコンクリートに頼らず、スチールフレームと足場用板で構成したボックスの中に砂を充填して簡易な基礎を作った。

建築家
坂茂建築設計
2000

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