大阪・関西万博サテライトスタジオ東
日本
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野中のnと三谷のm、お互いの頭文字をつなげてnm。ナノメートルの記号になったのが由来です。
ナノメートルについて少しまとめてみます。
国際単位系 (SI) の接頭辞の一つで、基礎となる単位(センチメートル)の 10−9倍です。1960年に導入されたもので、ギリシャ語で「小人」という意味の νάνος (nanos) に由来しているそうです。
マイクロメートル(μm)は比較的よく聞く単位のように思います。
紙の厚さや髪の毛(100μm)、毛細血管(10μm)ですので、それよりさらに100万分の1小さい世界です。
ウイルス(10nm)、DNAの直径(2nm)がナノメートルサイズです。
ナノの世界ではマイクロまでとは大きく違う世界が広がります。
それは、あまりに小さく、比表面積(表面積/体積)が大きくなるため、反応性が高くなり、同じ物質でもナノまで小さくすれば性質を変えられることです。通常では電子が動き回るスペースがあるのに対し、ナノサイズでは電子の動きに制約があります。つまり電子一つを操作することも可能なのだそうです。
ナノ材料に焦点を当てると、材料を物質から削り出してくるトップダウンから、原子や分子を組み上げるボトムアップ構築ができるようになります。削り出した廃棄物なく、生物のように自己組織化できるようになります。今までの生産方法と全く逆のアプローチになるのです。
このようなことを調べていたら、ナノメートルというのは私達の理念とも近いのではないのかと思い始めました。
私達は、建築物をつくることは最終目標のためのサプリメントみたいなもので、場を提供、出来事の提案、その後の誘起が本質にあり、雰囲気を作って行くことと考えています。
【建】には意見を差し出す、【築】には体制地位財産をしっかりつくるという意味があります。建てて築くに加えて、建築の知識さらには私達が蓄積してきたあらゆる分野の知識を元に出来ることを考え意見し(建)、 建てることに固執せず見合う場を創り体感・体験すること (築)も建築と言えるのではないででしょうか。建物にピントの合っていないぼやけた設計のような行為が、雰囲気をも作ると思います。
さあ、建築をつくるぞ、というトップダウンの思考から、小さな建築の萌芽にもなっていないようなことも積み重ねていくボトムアップの姿勢で私達は建築というものを捉えています。バックグラウンドに建築以外を携えている私達は、表面積の大きなナノ粒子のようなものです。今までの固定観念をナノサイズまで噛み砕き、新しいDNAを作っていくように建築家という職能の性質をも変えていき、一望できない都市計画を超える大きな全体までを思考して、色んな人を幸せにする。それが私達ナノメートルアーキテクチャーの目指す姿です。
- カテゴリー
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- 建築家
- 場所
- 愛知県, 日本
- 社員
- 5
- ウェブサイト
- nm-9.com
- 設立年
- 2016
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