CO-CONNECT

東京都, 日本
写真 © Seiichi Ohsawa

生活者の距離感の形成/多様な生活シーンの包含/懐が深く広がりある空間

住宅街にたつ、オーナー住宅と賃貸住宅2世帯による長屋の計画。
都市部の集合住宅では隣人を選択することはできない。長く住み続けるオーナー住宅とテンポラリーな住まい方の賃貸住宅を一つの敷地のなかで、一体に繋ぎつつ、程よい距離をつくる建築の計画である。

それぞれの住戸は主要室をボックス状に形成し繋ぎ合わせて、室としての箱が連らねる構成する手法を用いた。それぞれのボリュームの間に価値観や生活感覚の異なる隣人との調整を行う、両者のデバイスとして通路状の“余白の中庭”を設けた。また、その中を横断しながら生活していく。さらにそれらの箱に、より小さなスケールの箱を連ね繋ぎあわせる。小さな箱には出窓、ベンチ、カウンター、バルコニー、小部屋などの機能を与えると同時に、“余白の中庭”を介して深く南の光を全ての諸室に導く。一方で、その開口は高さや向きをずらし、隣人相互の視線は出会うことはない。“余白の中庭”共有する住まい。

様々な大きさと様々な機能の箱が連なる集合体によって、各住戸の関係をつくり、これらの操作によって、限られたスペースに多様な生活シーンを与え、懐の深さが生み出すことで、広がりを体感できる空間形成と意図している。また、敷地内にあった高低差をきっかけにレベル差をつくることで、3次元的に自在に組み合わされる空間となり、2つの賃貸住戸は相互に立体的に交差し、それぞれに接地する居室、2階の居室と南面する居室を有したプランニングが可能となった。

接するボックスはホワイトとグレーにトーン分けされていて、生活者は箱から箱へ移動する度に白い空間からグレーの空間へ横断していき、生活シーンの転換の度に空間の奥行を体感する。できる都市の中で、住空間を組み立てる際に扱われるボックスのサイズも機能も画一的で空間も一様である。箱を集め連ねていという一般的な手法にも、そのサイズや機能のこれらの設定と繋ぎ方によって、街並みのスケールにも身体のスケールにも呼応し、様々な敷地や設計要件に順応しながら、多様な生活空間の解を導き出せる可能性を示し、と、様々な集まりや連なりが集合して織りなす、している都市空間を投影した建築を指向している。連なる箱が集合体をつくり、空間の可能性とともに生活者の関係を形成する。

写真 © Seiichi Ohsawa
写真 © Seiichi Ohsawa
写真 © Seiichi Ohsawa
写真 © Seiichi Ohsawa
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写真 © Seiichi Ohsawa
写真 © Seiichi Ohsawa
写真 © Seiichi Ohsawa
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2016

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