坂本昭・設計工房CASA

写真： 坂本昭・設計工房CASA

敷地は都心に近い閑静な住宅街にある。深沢の家は、前面道路に対し、アプローチ・駐車スペースでもある浮かんだコンクリートボリュームによるピロティ空間を設けており、さらに奥に中庭をつくることでプライバシーを確保した半コートハウス住宅ともいうべき佇まいである。

ピロティからその先に見える緑に誘われて玄関へと入ると、中庭を中心に螺旋状の動線を描いて、ピロティ・玄関・階段・2階リビング・・・と奥へ奥へ空間が連続し、展開していく。中庭を中心に回遊する平面形は、住宅内に自然の気配をもたらすと同時に、シームレスに連続する空間をつくり出している。

この家の中心である中庭につながる屋根付きテラスでは、外からの視線を気にすることなく食事や読書をしながら、自然を感じ、同時に家族の気配を感じることができる。

都心の中にありながら自然の移ろいと共に過ごせるこの空間は、スピードの速い都市の生活の中に、ゆったりとした時間の流れと安らぎを提供するだろう。　



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