玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ
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- 東京都世田谷区, Japan
- Anno
- 2020
「玉川髙島屋S・C」の共有部グランパティオと2Fに新設されるカフェの改修プロジェクトである。
50年の歴史を持つ地域の憩いの場所として新たに「Library & Art」のコンセプトを加えることとなった。訪れた人に本やアートとの新たな出会いをもたらす場所として、吹き抜けの大きな空間を、時に公園のような、時に書斎のような親密な場所としたいと考えた。
空間構成要素として、「光の群像」「物語と出会う棚」「公園のような緑」の主に3つの要素を考えた。
「光の群像」はネックレスのように2本のコードで吊られた電球669個によって、光と線によって編まれた雲のような光の集合体だ。吊るされた電球の高さをドーム状に変化をつけることで、大空間にドーム屋根に覆われた親密な場所を作りだした。
「物語と出会う棚」は本との出会いを意識し、表紙が見えるよう面陳列させることで本を際立てせ、本の中の一節が本の表紙のすぐ下に丁寧に差し出されている。本棚の一つはアートに特化しており、アート作品とその制作過程にアーティストが大切にしていた本や道具などが置かれ、制作裏の物語を読み取ることができる。2本の吹き抜けの柱にはアーティストによる読み解く事を誘発するような壁画作品が施されている。2Fカフェにも本棚が置かれ100冊のパンとコーヒーにまつわる本が並ぶ。
二子玉川が東京近郊の行楽地であったという歴史から「公園のような緑」としてプランターに植えられる緑は日常の中の非日常の避暑地の森、軽井沢や、等々力渓谷をイメージした日本の草木で構成され、四季を感じる演出が施されている。
これからの商業施設としてSDGsを意識した物づくりが求められ、全体的に内装、家具に使うマテリアルを廃材などサスティナブルな素材を積極的に使用した。