旅想ゆふいん やまだ屋

Japan

由布岳の麓、かつて湖であったという伝承が残る湯布院盆地。
その宇奈岐日女神社へと続く参宮通り沿い、田園の風に包まれるようにして佇む宿「旅想ゆふいん やまだ屋」。2020年より段階的に改修を実施し、共用部・客室・浴場などの再生を重ね、2024年8月に全面リニューアルを遂げました。

設計の出発点は、由布岳と田園風景が広がるこの地を、由布院散策の新たな“導入”として体感してほしいという願いでした。

エントランスには、特別に焼成した陶板タイルを敷き、足元から土の質感を感じられるように。壁には藁スサを混ぜ込んだ左官仕上げを施し、田舎の温もりがにじむ表情をつくり出しました。さらに、組子細工の灯りと杉の網代天井が織りなす陰影が、訪れる人を穏やかに迎えます。新たに設けた大きな開口の先には、水車の庭がひらけ、風に揺れる葉や移ろう季節の色彩が、静かな時間を描きます。レセプションカウンターには、浮遊感をたたえた研ぎ出し仕上げを採用。内部には、由布=木綿(ゆふ、楮に由来)という語源にちなみ、楮のスサを練り込み、この地の記憶をさりげなく映し出しています。多様な素材が静かに調和し、空間全体の気配をやわらかく整えています。

食事処は、かつての畳敷き大広間を刷新し、靴のまま気軽に立ち入れるフラットなダイニング空間へ。床にはエントランスよりもさらに表情豊かな土もの陶板タイルを用い、壁面には藍染和紙で漉き上げた由布の山並みを設えました。やわらかな朝の光に包まれながら、土地の空気を感じる食のひとときをお楽しみいただけます。

男女入れ替え制の大浴場「花子の湯」「太郎の湯」は、それぞれ異なる体験を楽しめる湯処です。2階組みの「太郎の湯」では、かつて一体化していた巨大な浴槽を改修し、天然石の岩風呂と壺湯、小庭を新たに設えました。上階の半露天風呂からは由布岳の稜線が遠望できます。「花子の湯」では既存の露天風呂の岩を活かしながら庭として再生。ガラスの屋根と窓を通して、岩の庭や夜空を眺められる内湯とし、光と緑が静かに移ろう上質な湯浴みの場となりました。

客室では、押入れだったスペースに冷蔵庫や掛け収納をしつらえるなど、現代の滞在に寄り添った和モダンの設えとしています。和紙や竹細工、竹編みを想起させる文様のモザイクタイルなど、由布の風土と響き合う素材を随所に取り入れ、くつろぎの時間に静かな品格を添えました。1階の特別な客室に備えられた露天風呂は、杉皮張りの塀で囲い、当初のお庭を更に上質な空間に。自然に溶け込むような設えのなかで、誰にも邪魔されない穏やかな湯の時間をお楽しみいただけます。

Architetti
HAJIMARI ARCHITECTS Inc.
Anno
2024
Stato del progetto
Costruito

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