Foto © Masao Nishikawa
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ESPACE

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Sede
東京都品川区, Japan
Anno
2022

敷地は都心エリアの住宅地。北側道路の一角に建つ「ESPACE」は、40代夫婦が暮らす木造2階建ての小住宅である。
互いにライフスタイルのセンスに長けたクライアントは、必要以上にモノを持たないミニマリストでもあり、コンパクトな敷地でもプライバシーに配慮した、広さより広がりのある空間をつくりたいと考えていた。

敷地は北側接道で全面道路幅も狭く、周辺住宅は極めて密集して建築されている。そのためプライバシーを考慮し、道路側ファザードにはあえて開口部を設けず、中庭とハイサイド窓によってのみ光を取り入れる計画とした。

また、敷地間口を最大利用するために木造ラーメン構造を採用。門型フレームをつくることで北側に耐力壁を設けずにフルワイドの三連窓とハイサイド窓を実現している。壁面には門型フレームの柱型を利用した造り付けの収納も完備し、新たに家具をおかなくても生活できるよう機能面も充実させている。

そして、この住宅の最大の特徴はやはり光の取り込み方であろう。
2階のファミリールームは大きな一室空間となっており、北側のフルワイドの三連サッシからはやわらかい北側拡散光が取り込まれる。それと同時に、傾斜屋根に沿って差し込む南側直射光を壁の立ち上がりによって一旦反射させることで室内に取り込み、窓際の明るさを確保している。その光はグレーチング床を介して寝室や浴室のある一階にも届けることができる仕組みだ。それから、北側のフルワイドのハイサイド窓から注ぎ込む光は、切妻の傾斜天井面に沿って美しい光のグラデーションをつくりながら室内に降り注ぎ、敷地奥にあるキッチンにも十分な明るさを確保している。

建物全体を光の反射板のように扱うことで生まれた拡散光の小宇宙には、クライアントの人柄と同調した独特の柔和な空気が漂い、光で空間の広がりをつくりだしている。

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