Foto © 黒住直臣

計画は60㎡ほどの小さな建築で、仕事をリタイアしたご夫婦が営む茶房である。
敷地は、来宮神社から急な坂を登ってしばらくのところにある。斜面地を敷地分だけ削り取られ、その環境は暴力的に感じられた。しかしながら、奥行きの長い敷地には、奥に向かってわずかに勾配があったり、敷地に沿って、心地よいせせらぎの音が聞こえる。このように暴力的な環境から客を守り、周辺に見えがくれする小さな魅力を存分に味わえる建築をイメージした。
細長い敷地の長手方向に崖条例のため、崖上からの土砂崩れに対してコンクリート擁壁、一方崖下からからは安息角の下までの基礎を下げた深基礎になっている。この地面から持ち上げられたL字型のRC造の上に、軽やかな木造の架構をかけた。RC造は客を激しい環境から守り、木架構は柔らかく人包みこむ。この敷地において、最適な構造形式だと考えた。また水平力はRC造が担うので、上部の木造部分には風景の邪魔になるような構造材を設けずに済んだ。天井高さを2,100と低く抑えられた空間で、客はRC造と一体になったベンチに体を預け、軒の先に広がる樹木と小川のせせらぎだけを楽しむことができる。

Foto © 黒住直臣
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© Yamazaki Kentaro Design Workshop
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熱海の茶房

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Standort
静岡, Japan
Jahr
2019

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