hotel nansui

高知県高知市, Japan
Foto © Satoshi Shigeta

“不在と記憶の余白をつくり、想いをつむぐ”

坂本龍馬の生家があった地に、50年ほど営業を続けてきたホテル南水という高知の老舗ホテルのブランディングプロジェクト。龍馬の生家とは言えその面影は残存せず、偉人であるがゆえにゆかりのものは全て博物館に収蔵されている。
龍馬の不在と場所の記憶からその余白をデザインし、来訪者が自らの想いをその余白に重ねられるような空間を提案した。ここでは、龍馬の具体的な何かを表現していない。龍馬が見た世界や景色、趣向や考えたことなど、その不在の形象と向き合い、対話を重ねながら、内外装や家具のデザインをまとめた。鍵となったのは文様である。唯一記号のみが残存する形象であり、装飾的な要素としての文様は当時と変わらない。変わらない形象のみを龍馬の記憶として使用し、形のないものは不在のまま余白として、来訪者の想いに委ねている。

龍馬の生誕地である象徴的なこの場所を、地域に開くために1階を開放し、ホテルのロビーを7階に設けた。1階はイベントや高知のお酒文化である「おきゃく」などに使える交流スペース「オキャクバ」や宴会室など地域の人たちが利用できるスペースとしている。また龍馬に想いを馳せることができる献花台を象徴的に設けている。

龍馬の生きた時代から変わらずに現代に受け継がれているもの。それは何かを模索することからこのプロジェクトの設計を始めた。モノとしてこの場所に残るものはないが、人の想いは紡がれ、そして記号は歴史の継承として受け継がれている。ファサードや客室のヘッドボードなど建物内いたるところに配した幾何学的パターンのような文様は、坂本家の家紋をベースにデザインしたものである。nansuiでは文様を手がかりに内装や家具のデザインを行った。

館内に点在するアートワークは、ようび 大島正幸氏のディレクションによるものである。あくまでこの建築はホテルであって、博物館ではない。龍馬にまつわる事柄を語る説明的なオブジェクトではなく、龍馬が見た世界を、現代に生きる私たちが想像できるような龍馬が生きた時代から現代においても変わらないものを描くことを試みた。例えば、当時から変わらない風景や、江戸時代に描かれ龍馬が見たであろう世界地図などをアートワークとして散りばめた。

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Foto © Satoshi Shigeta
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Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Foto © Satoshi Shigeta
Architekten
蘆田暢人建築設計事務所
Jahr
2024
Project Status
Gebaut

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