茅ヶ崎の段床

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Standort
神奈川県茅ヶ崎市, Japan
Jahr
2019

旧くからの友人である施主は三人家族、いわゆる地主の筋で代々この土地に暮らしている。
この建物の隣接地も家族が所有する土地なので、ゆったりとした庭に面した住宅を望むのかと思いきやそんなことはない。実家の広大な庭の管理がトラウマになっているので、木は一切植えずにドライな外部空間を求められた。それならば茅ヶ崎に拘ることなくライフスタイルを考えてもっと都市部に住めば良いとも思うのだが、それもそうでもない、空が違うのだという。
とかく自然環境というと緑地的な事物を考えがちだ。海の近くでは地表付近の自然環境もさることながら、確かに他の場所では感じない空の高さを感じることがある。潮風を感じながら空を見上げると吸い込まれそうになる、あの感覚だ。施主は生来、生活をしている茅ヶ崎という場所に深いつながりを感じているのだが、その場所というのは地面というよりもその上にある空につながっている。
建物は11.5m x 12mの長方形の平面で、一部半地下で2.5層分の高さとなっている。居室からは常に空を感じることができるように主室を段床で分節し、屋根を浮かせるようにしてハイサイドライトを四周に廻している。

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