ホシノアーキテクツ

渋谷公会堂建て替え計画。人々が集い非日常の祝祭が展開する公会堂は、その高揚感を表すべく「祭」をテーマに抽出した華やかな色味を組み合わせたカラーガラスを通して、ホワイエ内の賑わいが公園通りの賑わいと一体になるようにデザイン。
南西ファサードはフレームにより分節し、フレーム内にはコンクリートの素地を生かしたカラーパネルによる渋谷の街を象徴するアートウォールをデザインした。
また、代々木公園側の外装はステージを囲うフォーマルなフレームと、舞台幕をモチーフにこれから広がる物語の始まりを予期させるようなドレープカーテンの柔らかさが人を迎え入れ、劇場としての存在感を示している。
劇場内のインテリアは、外装のカラーアートウォールのデザインと同様に、客席全体をアートとしてとらえ、全体のカラーグラデーションで、劇場空間の高揚感を表現した。

本プロジェクトのテーマである「祭･粋･清･寂」という言葉のなかから、公会堂では「祭」のイメージから連想された華やかな色をテーマカラーとして抽出した。
何色もの華やかな色味をミックスした壁面のカラーガラスに光がさすことで、ホワイエ内にカラフルな影を落としている。　
床面カーペットに施された模様は、時間の経過とともにカラーガラスの影と混ざり合うことで多様な表情を見せ、ホワイエ内と公園通りの賑わいが重なるようなデザインとしている。
舞台から見る客席座面に使用しているファブリックはランダムに配色することで、渋谷という街のもつ賑わいや楽しさのイメージ、動きの感じられるシアター空間をつくり出している。